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2012-01-11

一五・一六週目(12/28-1/14)

年末年始のトルコ旅行を経て新年を迎える。
去年の正月にはまさか今年の新年をイスタンブールで迎えるなんて思ってもみなかった。
卒論のせいでどんよりしていた去年に比べれば、今年はかなり楽しく気楽な新年だったかもしれない。

しかし、3日までトルコにいて、テレビもなければスタジオの最終プレゼンが10日に控えていて追い込まれていたので全く正月気分が味わえなかった。
あの正月特有のふわふわだらだらした感じが自分の中で一年をリセットしていたんじゃないかと思ったり。



トルコから帰ってきてからは大掃除をする余裕もなく、ひたすら10日のプレゼンに向けて作業をしては寝て作業をしては寝てとというサイクルを繰り返す。全然時間がない。

そもそも卒業制作でもないのに新年早々に提出っていかれてる。
そしてうすうす感づいてはいたが、Sint-Lucas Brusselは設計の環境が最悪。製図室もなければ、50人ほどの学生が同じ日にプレゼンをしなければいけないのにプロッターも一台しかない。学校の近くの模型材料を売っている画材屋は正月休みで提出日前日まで閉まっている。
提出間際になればなるほどこの環境にいらいらさせられるし、日本の環境の素晴らしさを実感する。

2日連続で徹夜しようとしたら、いつの間にか意識が飛び、気づいたらベッドの端っこに座ってるという初めての経験を経てなんとか完成。

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プレゼン当日。当日の準備時のみんなのそわそわ感とばたばた感は日本でもベルギーでも一緒。

studiofin-1.jpg

時間がなくて模型が思うように完成しなかったのが残念。
パネルと模型の準備に手いっぱいで口頭発表はぶっつけでパネルの内容を説明したが、やはりしゃべる内容はそれはそれで整理しておくべきだった。不慣れな英語というのもあったし、先生の反応を聞くと自分の考えた建築の意図や魅力、従来のものとの違いを正確に伝えられたどうかは怪しい。システム的なことよりもっと人とのかかわりを中心に話せばよかった。
規模の大きなプロジェクトにしたので手が回らなかったが、人と建築との細かいかかわりがわかるような平面や断面の設計にも取り組みたかった。
6月のAUSMIP報告会までにもう少しバージョンアップさせたい。

他の人の作品も気になったのでパネルを見てみるも、パネルを見ただけではよくわからない。どうもパネルは口頭発表の時に補助的に用いるようなものとして扱われているような感じがする。そして先生たちもパネルを読む気はないんじゃないかという感じもする。
プログラムは図書館、カフェ、映画館、ギャラリーなどが多いが、それらのプログラムの必要性や必然性が語られずにいきなり出てくる。日本だったら例えば何か公共的なプログラムを入れようとしたらじゃあその建築における公共性とは何なのかみたいな話が始まるのに対し、先生たちもプログラムの内容に関してはスルー。
結局、建築単体の空間がどうなっているのかという話になり、都市スタジオという割には都市の中でのその建築の役割や意味というものの話が少なかったように思う。
模型に関しては、前評判では外国人の模型は雑と聞いていたが、本番模型となるときれいでうまいものが多くて意外だった。


日本での前期スタジオが圧倒的に密度の濃いものだったからかもしれないが、このスタジオは何か全体を通して釈然としない感じがあった。

スタジオの問題設定がMIDI駅周辺は問題の多いエリアなので改善してくださいぐらいの緩いものなので、先生たちの求めるものがよくわからない。本当に何でもありなので、一つのテーマをそれぞれの作品で比較しながら捉え方の違いによって議論することもできない。だから人の発表を聞いても自分のプロジェクトを再考したり深化していくのに参考になることが少ない。

スタジオの流れとしては大体、リサーチ4週、グループプロポーザル4週、個人設計4週という感じだったが、最終プレゼンをグループでやることもなく、これらのプロセスのばらばら感が否めない。実際、自分たちのグループは全員リサーチとグループプロポーザルには一切触れず。あのグループ作業に費やした時間は何だったのか。

今まではエスキスに行けば自分の根本的な考えの未熟さや浅はかさを思い知らされて、次の段階に進んでいくような感覚が何度もあったが、今回に限っては自分の考えに対する感想はinterestingというもののみで、まだ計画していないところの進め方のアドバイスがあるくらい。なのでエスキスの中で先生たちの設計や建築に対する思想を知れたり、思いもよらぬ指摘を得られなかったのは残念。

もっと基本的なコンセプトについて食いついてもらえるような説明をすべきだったのかもしれない。



レポートが2つ残っているものの、なにはともあれスタジオが終わったのでこれからのことを考えないといけない。

この留学、なんと都合がいいことに2nd Semesterは必ずしも授業をとらなくていいので、残りの5,6ヶ月が完全にフリー。
とりあえず3月にインターンがほぼ決まったのでそのためのポートフォリオづくりとどんどん旅行の計画を立てていかなければいけない。どうせだからヨーロッパの国全部行ってみたい。

英語は到着時に比べたらだいぶましになった感じはするが、学校に行かなくなったら英語を使う機会がだいぶ減ってしまう…。油断してたらまただめになりそうなので、時間もできたし英語の勉強もしていきたい。

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