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2012-02-04

ルクセンブルク(1/20-1/21)

ベルギーの小さな隣国、ルクセンブルクに小旅行へ。

1日目(2012/1/20)
その前に、フランスとの国境を少し越えたメッツという町に立ち寄る。

メッツといえば、ポンピドゥーセンターメッツ。設計は日本人建築家の坂茂。
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かなり大胆な形。

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なんといってもうりはこの複雑な構造体。気が網の目のように組まれていて迫力がすごい。

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エントランスホールは一応内部空間なのだが、壁と天井の間には隙間がある。
つまり空調がきかないので、気温は外と同じでめちゃくちゃ寒い。

大屋根が独立していてその下に展示室がつくられているという感じ。

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エントランスはかなりの大空間。そこにむけてバルコニーのようなものがつくられているのが面白い。

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この椅子、見た目はかなり固そうなのに座ってみると実は柔らかいというギャップ。

展示内容はラビリンスというコンセプトの下、建築のドローイングや空間インスタレーションが集められていてかなり面白い。
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特に光を使ったインスタレーションはインテリアにも使われそうな感じもしてかなりきれい。

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知っているものも多く、黒川紀章のドローイング(左上)もあって驚く。

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特に楽しみにしていたのはこのレム・コールハースのAAスクールでの卒業設計。
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卒業設計が天下のポンピドゥーに所蔵されているとはやはり偉大。

この展示はかなり面白かったのでカタログを買おうと思うも、全てフランス語…。
なんで英語がないんだと思うも、日本の展覧会を思い出すと英語表記があるものは少ない気がする。

別テーマでやっていた家具デザインの展示。デザイナーはフランス人の兄弟、Ronan and erwan Bouroullec。
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こちらの展示もかなりユニークで面白い。

エントランスホールから見えたバルコニーへ。
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ここはこの大迫力の天井を見せるためにつくられたんだろうなという印象。

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チケットオフィスの屋根の上は鏡になっていて、さらにこの屋根のデザインを強調している。

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下を見るとこのバルコニー、かなり高い所にある。4層分くらいの高さはあるんじゃないだろうか。

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夜になると照明で構造が透けてかなりきれい。

時間がなくてメッツの街を見ることができなかったが、この美術館と街の関係はどうなっているのかが気になる。
この美術館はメッツ駅のプラットフォームから見えるくらいの近くにあって、街の中心部から離れているので、フランスのポンピドゥーほどは都市の文脈の中には組み込まれていない感じがする。


暗くなってからルクセンブルクに到着。
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街の中心部は高台にあって、その周りを囲む谷地を見るとオレンジの街灯の連なりを見下ろせてきれい。

2日目(2012/1/21)
ルクセンブルクの中心市街地を散策。

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ルクセンブルクは元々が城塞都市でところどころに昔の城壁が残る。

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城壁の遺構が小さい公園のようになっていて、歩けるところも。

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ボックの砲台という砲台跡。

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旧市街地は谷に囲まれているため、谷側を眺めるといくつか橋が見える。
天気が悪い性もあるのだろうが、遠くまで見渡せるわけでもなく、昼の谷間の眺めはそれほど美しいとは思えない。

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橋を渡った谷の向こう側には高層ビルもある新市街地。

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谷の斜面を利用した畑。

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説明書きを見ると、崖への太陽反射を利用したり、川より水を汲んだりと合理的につくられているよう。

旧市街地の端をうろうろしていたが中心の方へ移動。
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中心地は狭い路地があったり、

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狭い坂道があったりするものの、ほんの一部という感じで、そこまでこういう空間が溢れているといった感じはしない。

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アルファベットのSやTに見える建物の壁面に取り付けられた鉄製の装飾はここで初めてみた。

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国立歴史・美術博物館。
この見た目の割に中は意外と広くて、地下5層、地上6層もある。

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地下の展示室には城壁跡が見えるようになっているところもあったが、これに合わせてなのか、偽石を室内インテリアに多用していた。せっかく歴史的で力強い遺構が使えるのだから、それだけで徹底的に空間を作った方がいい空間になる気がする。

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道路上を建物をつなぐブリッジが横切り、そこには金色のマリア像が置かれている。こういう形式を見るのは初めて。

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中心広場では小規模な市場が開かれていた。

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小規模ではあるが、現代的なショッピングストリートのようなところもある。

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グルントと呼ばれる低地にある公園。

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城壁を見ると、城塞都市としての特徴的な形が見られる。

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ノートルダム寺院。何回が増改築がおこなわれたらしく、身廊部分がボールと天井から平天井へと明らかに切り替わる。

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王宮前。王宮前では近衛兵が1人行進している。

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なにかの美術館で、リノベーションなのか詳しくはわからないが、建物同士の間の空間をガラスで囲ってチケットカウンターのある空間をつくっている。

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スケールの小さい道を歩いてきたが、バスなども通る広い道、高い建物がある場所もある。
こちらはもうかなりジェネリックな都市の雰囲気。

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谷に架かる橋は中世のころからあったもののようだが、車が走っていることを考えると、近代になってから補強あるいは作り直されたのだろうか。

旧市街地とはいうものの、なにか景観には統一感がなく、建物一つ一つのファサードを見てものっぺりとした壁面に色を塗っただけというものが多く、美しい街並みという印象は薄い。

谷底へと降りる。
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岩に沿うように手すりがぐにゃぐにゃしている。

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谷底には公園が広がる。

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ところどころに城壁跡が見られるがあまり強い印象はない。

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谷底には川が流れている。

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低地側にも人が住んでいる。

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ガチャガチャした高台の街と違って、こっちのほうが落ち着いていていい雰囲気。

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この崖をくりぬいて作られた道を先へ行くと高台へつながるエレベータがある。
だれでも使うことができるようで、高台へ行くにはかなり便利そう。

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こちらはさっきとは違う川でさっきの川より大きい。ルクセンブルクの独特な地形はこのアルゼット川とペトリュッス川によってつくられたらしい。
やはり高台からの眺めからより、低地側からこの川と城壁跡を含んだ眺めの方がいい感じ。

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今度は新市街地側の高台へ。
この低地から高台へ上るための階段、小さい構造物ながらも現代的な素材と城壁跡をうまく組み合わせていたり、途中で低地側を見渡すことのできる踊り場があったりと工夫が多くて面白い。

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途中には線路をのぞける小窓のようなものも。
ただ単に低地から高台へ移動させるだけじゃなくて、そこにいくつかの経験や周囲とはちょっと違った要素を織り込むという使う人や周辺環境に対して気遣いのあるデザイン。

新市街には行政関係の施設が集まる。新市街といっても街はなく、いくつかのビルや大きな建物が点在するだけ。
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特に目を引くのがこのコンサートホール。設計はクリスチャン・ド・ポルザンパルク。

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ホールの空間をこの細い列柱が取り囲む。

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ホールは閉まっていたが、駐車場へと続く入口があいていたので入ってみる。

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階段を下りる途中では、この壁に描かれた点々は何だろうと思っていたが、下りきって振り返ってみると納得。

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隣の建物のガラスにきれいに映り込む。

すぐ近くの現代アートの美術館へ。設計はI.M.ペイ。
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アプローチに植えられた木がパースに使われる添景の木そのものという感じのきれいな形でなにか違和感がある。

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エントランスを抜けた大きな空間には巨大な構造物が展示されていた。
なんと階段がついていて自由に上ることができる。
高さは10メートルぐらいあってかなり高い。その上、他の人が階段を上ってくるとグラグラ揺れる。
あんまり多くの人が登りすぎると崩壊するんじゃないかと不安になるくらいの揺れ…。

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上部にはいろんな色の糸車が付いていて、

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下を見るとこの糸が編まれて置かれている。
なにかはよくわからないが面白い。

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先ほどの大きな空間を中心に展示室が両翼へ展開するような構成で、大理石とそれにかぶせるように作られた大きなガラス構造物の印象が強い。素材は違うが、形は中国の蘇州で見た博物館に似ている。

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大きく空へと開けられた開口と大理石の組み合わせは晴れていていたらとても奇麗なんだろうがあいにくの曇り…。
昨日ポンピドゥーで展示されていたRonan and erwan Bouroullec家具の一つをさっそく発見。
この後もこのデザイナーの家具を見かけることがちょくちょくあるので今かなりホットなデザイナーなんだろう。

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内部の洗練された雰囲気に反して外観はなかなかのいかつさ。
この周辺の公園には城壁の遺構や、いい眺望が得られるところのような高いポテンシャルがあるにもかかわらず、あまり積極的にデザインされていないような感じがして残念。

帰ろうかときた道を戻るとなんと奇跡的に先ほどのコンサートホールに電気がついている。
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コンサートホールなので夜に一番美しく見えるようにデザインされたのだろうか。

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しれっと中に入り、何もいわれないのでそのままふらつく。なんという幸運。
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ホールを囲むようにブリッジが巡っており、さらにその下側、外側、は全体がホワイエのようになっている。

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ブリッジを歩いてホールの席へと行く体験はかなり楽しい。

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歩くことを楽しめるようなような、ただのコンサートホールにはないわくわく感。

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楕円形のブリッジが一周しているので、常に美しい列柱が目に入る。

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ホールの他にも事務室がブリッジの内側に収められている。ブリッジを歩いていると中で働いている様子も見えて、エルジェミュージアムと同じく建物の中に街や路地が作られているような雰囲気が意識的に作られている感じがする。

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ところどころに入れられたスリットからは様々な色の淡いライティングが施されている。

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ブリッジは高さが変わったり幅が変わったりと変化に富む。

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ちょっとした喫茶スペースもあって、ブリッジの裏面までライティングに利用している。

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夜の方が断然美しい。ぜひコンサートが開催されているときにきて人々でにぎわっている様子も見てみたい。

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ルクセンブルク駅。電車で片道約3時間、ブリュッセルへ帰宅。

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