スタジオ二回目のスタディビジットでルーヴェンに行く。
ルーヴェンにはルーヴェン・カトリック大学という大きな大学があって、人口の大部分を学生が占めているらしい。
駅前には新しくて高層の建物が立ち並んでいる。
すごい飛び出し。
こっちの建物は地震がないからか、なんでもない建物でも飛びださせているものが多い気がする。
その中の一つの、行政機関のオフィスビルらしきものを見学。
裏庭の水盤と階段と庭のデザインが線路と調和しててきれいだった。
地盤が凍ったり溶けたりして動いたため、コンクリートの接合部にひびが入って雨漏りしているらしい。
ガイドの人に、地震があるから地盤が動くということを想定して設計している日本じゃあり得ないよねといわれる。
ベランダから見たルーヴェンの街並み。
次はいくつかのソーシャルハウジングの見学へ。
川沿いの旧工業地帯のようなところを再開発して集合住宅を作っているよう。
元の用途は分からなかったが、造形が面白い。ぜひとも壊さないでコンバージョンしてほしい。
見学した集合住宅。
ベランダが広くて机といすが置いてあるところ多数。しかしそこでくつろぐ人は見かけなかった。
今度は川沿いの集合住宅を見つつ中心街へ。
途中、城壁跡のようなものを見つける。
それに囲まれた丘の上には何かしらの像が…。
猫がいると絵になる窓辺。
街のシンボルはどこからでも見える。
川沿いを歩く。
川に面したベランダはプライバシーもあって心地よさそう。
またもや城壁のようなものを発見。
こういうせっかくの歴史的な断片を現代にうまく生かすことができないものだろうか。
中心街。
バイオリンとラッパを同時に駆使するテクニカルなおじさん。
M-Museum Leuven博物館へ。設計はベルギー人建築家のStéphane Beelという人。
大理石張りの外壁はかなりきれい。
しかしこの日は閉館。なぜこの日をスタディビジットの日に選んだのだろう…。
ガイドの人いわく、閉館の日でもこうやってエントランスやテラスに入って楽しむことができる都市に対して開かれた素晴らしい博物館らしいが言い訳がましく聞こえてしまう…。
上部が浮いてるように見えるほど大胆にスパンを飛ばしたヴォイドがあったり、
建物のわずかな隙間からきれいな空が見えたり、
反射率の高いガラスに空が写り込んで一枚の絵画のようになっていたり、
建物内外の要素のコントラストが美しかったりと。
また今度行ったときに内部にも入ってみたい。
次は中世の街並みを保存した地区へ。
途中にさっきの見えた尖塔の正体。やはり立派。
石と煉瓦に囲まれるという日本ではあり得ないであろう空間。
目に見えるものすべて無機的な材料だと、少ない緑と空が映える。
趣深い。
かなり落ち着いていてきれいないい場所なのだが、保存することになってからほとんどの建物は使われていないらしい。小さなショップなんかを入れたら有効活用できそうなのに。
傾斜のあるいい感じの遊歩道を抜けて、
ベランダに特徴的なパターンがあしらわれた集合住宅を発見。
すぐわきにある粗野で無骨な古い壁面との対比が面白い。
週末はブリュッセル近郊のルーヴァン・ラ・ヌーヴ(新ルーヴェン市)という街に行く。
というのも、この街には、フランス語とオランダ語の言語対立でルーヴェンカトリック大学が分裂し、そのフランス語側が移設されているのだそう。
しかし今回の訪問の目的は以前にも書いた世界的大ヒット漫画タンタンの作者、エルジェのミュージアムを訪れること。
なぜか即席でつくられたような木の橋でアプローチ。
エルジェ・ミュージアム。設計はフランス人建築家クリスチャン・ド・ポルザンパルク。
主に展示室となっている4つのボリュームがいろいろなブリッジでつながれている構成。
こんな感じで人が通るのが見える。
展示室ボリューム間の天井はトップライトになっているので、ロビーは空が見えて明るい。
サイドにも大開口があけられているので外部の様子が感じられる。
美術館の展示室は展示品を保護しなければいけないこともあり閉鎖的になりがちだが、展示室から展示室へと移る間に展示室外部の様子、建築外部の様子を感じれるような楽しげなブリッジを挟むことで展示内容の切り替えが明確になるし、観賞者側の気分転換にもなっているんじゃないかと思った。
展示内容は漫画家エルジェの生涯を作品とともに見せるというものだった。
内部は撮影禁止だったので写真が撮れないのが残念だったが、最後の展示室はタンタンの世界中言語への翻訳版が円筒状の部屋に敷き詰められていた。部屋の上下の面が鏡になっているので、各国版のタンタンの漫画にどこまでも囲まれるというような演出になっていて、いかに世界中でタンタンが愛されているかということが感じられてなかなか感動的だった。
ついでに周辺の街を歩いてみる。
平野の中に突然つくられたきれいな新興住宅地という感じ。
とにかくこちらの郊外の家は一軒一軒がでかい。
くやしいが日本の家がウサギ小屋と揶揄されるのがわかってしまう。
迷いながらもなんとかショッピングセンターを見つける。
まだそんなに数を見ていないので言い切れないが、こちらのショッピングセンターは街路が少し複雑だったり、自然光が取り入れられていたりと街路が面白くなるような工夫がされている気がする。
ワールドワイドなものの中にもどこか地域性のようなものが紛れ込んでいるんじゃないだろうか。
駅周辺ではクリスマスマーケットをやっていた。
ブリュッセルもだが、クリスマスマーケットといいつつもあまりクリスマスっぽいものは多くない。
この周辺の雰囲気は日本のニュータウンやロードサイドのショッピングセンターに似ている気がした。
閑散としていた住宅地にこんなにも人が住んでいたことにびっくり。
模造品の木や雪で覆われた広場の中心で本物の炭を焼いていたのでかなりの違和感。
だけど冬場には暖かいというだけでそこに人が集まる。
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